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鋳鉄の橋 [廃墟&近代化遺産]




兵庫県朝来市



鉱山跡が点在するのどかな国道沿いに

その橋はありました。


今回の主人公.JPG

「羽淵鉄橋」


明治20年に明延鉱山から産出された鉱石を

神子畑選鉱所や生野精錬所に運ぶ鉱石運搬道路の一部として

架けられた鉄橋です。


鉄で作った意匠.JPG


しかし普通の鉄橋と大きく違うのは

これが鋳鉄製だってこと。


ようするに型に流し込んで造る「いもの」の事ね。

(鋳物独特の模様の入った地肌に注目)


かっこいいかも.JPG


長さ18mの2連アーチの洋風なデザインの美しい橋は

川の増水なので損傷を受けたたりもしましたがその都度修復され

平成7年には保存のため本来の場所からほど近い国道沿いの今の場所に

移築されました。


保存用の橋です.JPG


今では貴重な鋳鉄製の橋ですが

ここからさらに山に入ったところに全鋳鉄製の橋として

最古の橋が架かっています。


山の中にもう一本.JPG

「神子畑鋳鉄橋」


同じく明延鉱山から出た鉱石を運ぶ鉱石運搬道路の橋で

1886年に横須賀製鉄所で造られ架けられた橋です。


一見何の変哲も無い.JPG



長さは16.2mで幅は3.6mあり

運搬用の馬車が通るには十分は広さが保たれています。


見過ごしてしまいそう.JPG


鋳鉄製単径間アーチ橋と言う構造の橋で

当時の鉱山の開発に関わっていたフランス人技師の

余力もかなりあったように思われます。



鋳鉄製の橋として現存するのは今回紹介した

この2本の橋のみで

とぉ~~ても貴重な鉄橋は2007年に近代化産業遺産に認定されました。



鉱石の道を辿る旅の中で出会う

鉄の橋は見る人の心を温かくしてくれることでしょう。



◇◇◇ 廃墟ハンター響 ◇◇◇



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水ノ浦教会 [廃墟&近代化遺産]




長崎県五島市岐宿町




福江島の北部の海岸線を走っていると

小高い山の斜面に白亜の教会が見えてくる。

丹精な外観です.JPG

「水ノ浦教会」


福江島にあります.JPG


大村藩領内から移住してきた

隠れキリシタンを発端とし

キリスト教解禁後はごくありふれた日本建築の教会だったらしい。


結婚式場併設のチャペルじゃないです.JPG


海沿いにあるため長年潮風にされられた教会は

老朽化し1938年(昭和13年)に鉄川与助氏によって

建て替えられました。


純白の教会.JPG


中央に美しい尖塔を持ち

木造教会としては最大級だ。



さりげない拘り.JPG


鉄川与助氏の教会と言うと

赤レンガ建築を連想するが

木造の教会も細部までこだわって作りこまれています。


両開きじゃねーのか.JPG


資材は同時期に建築が取りやめになった

雲仙の教会から持ってきたようで

修道女や信徒達も石灰を焼いたり資材の運搬を手伝って完成に至る。


長崎らしい風景です.JPG



まばゆいほどの白が

目に焼き付く教会からは

いまは無人島となっている姫島が見えます。



綺麗なお庭付きです.JPG



海が見える丘の斜面にはルルド


ルルド.JPG


信者じゃないですがルルドを見ると

つい頭を下げます。



洋風建築でありながら

屋根は日本瓦というお決まりの様式ですが

もうこれは西洋の真似ではなく

立派な日本固有の建築と言っても良いでしょう。


白い壁と瓦の組み合わせが良い.JPG



解放していただいたので

中を見る事が出来ましたが

リブヴォールト天井が美しい。


許可済みです.JPG


外観と同じく白を基調とする内壁に

シンプルなステンドグラスが並びます。


シンプルです.JPG


世界文化遺産登録が延期されましたが

登録されようがされなかろうが

美しい教会は変わらずここで人々を癒して行く事でしょう。





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