楠原教会 [廃墟&近代化遺産]
長崎県五島市岐宿町楠原
海辺から2kmほど山手に入ったところに建つ
赤煉瓦の教会が楠原教会です。
左右シンメトリーの美しいゴシック様式の教会の設計は
もちろん鉄川与助氏でございます。
1912年(明治45年)に3年の歳月をかけて
造られました。
この地域に住む信徒は
寄付金以外にも港に陸揚げされた煉瓦の資材を
学校帰りの学生が2kmの道のりを持てるだけ煉瓦をもって
運んだり信者全員が漆喰や足場などの作業にあたり
造られた信者のための教会です。
五島のキリシタンは明治に入る頃から
迫害を受けるようになり禁教の高札が廃止される
明治6年(1873年)までそれは続きました。
いまではそんな歴史も感じなほど
平和な時間がながれています。
正面の煉瓦部分は作られた当時の物ですが
建物の半分は昭和に入ってから改築されているようで
煉瓦の色が変わっています。
↑ この角度から見ると表からみた教会と
一緒には思えないね。
信者さんがいましたので
中を覗かせていただきました。
中に入る事無く扉からみるだけにさせてもらいましたが
リブヴォールト天井の美しい内部でした。
柱の装飾の細かさも鉄川与助氏らしく繊細だ。
いずれこの楠原教会も含めて
長崎県の教会群が世界遺産に登録されると思いますが
いつまでも信者様の為に静かな教会の姿を
保ってもらいたいと思う響でございました。
大瀬崎灯台 [廃墟&近代化遺産]
長崎県 五島列島
島が連なる五島列島で一番大きな福江島の
西の果て
「大瀬崎灯台」
九州最西端に位置し
九州で一番最後に夕日が沈む場所でもあります。
東シナ海からの荒波に削られた
断崖絶壁に上に
白亜の灯台が建つ
美しくも荒々しい風景が広がる福江島で一番の観光地です。
道沿いに展望所があって
最高の眺めが見れるのですが
その景色に満足してしまって
灯台まで歩いていく人は少ないでしょう。
(ほぼ上の写真で見えている距離を歩きます)
片道20分と紹介されていますが
行きは全部下りなので良いのだけど
帰りは全部登りなので時間と体力には余裕を持って
臨みましょう。
中腹から・・・
上から見た風景とは違い
緑の草原の上に建っているような
景色に見えます。
しかし近付けばやっぱり
岩の絶壁が直ぐ横に迫る場所にあるのです。
灯台に上がる階段の手前の平地には
建物の基礎の跡が残っています。
灯台の官舎があったのでしょう。
急な階段を登ると
会いたかった「大瀬崎灯台」
初燈:1879年(明治12年)12月
改設は昭和45年となっています。
絶壁の上のわずかな平地には
今は灯台だけが建っています。
柵の外は
東シナ海まで真っ逆さまに落ちれるような
絶壁です。
オッ!
奇跡のはさかり岩を発見っ!
「落ちない」=「合格祈願」にどうぞ。
(お賽銭は響秘密結社まで)
灯台を取り囲むように
基礎みたいなものがあるけど
柵でもあったのか?
レンズはよく見えないけど
新しいものになっているようだ。
頭部の形はいかにも明治の灯台って
デザインで見ていて嬉しくなる。
さすが角島灯台を作ったリチャードヘンリーブラトンの
灯台だな。
ブラトン作なら外壁は石積みなので
この表面のタイルは昭和の改設の時に
張られたのかな?
高さ:15.9mの
最果ての地に建つ灯台の前で
儀式を・・・
感動の灯台でしたが
帰りはめっちゃキツかった。
九州で最後に夕日が沈む岬
映画「悪人」(2010年)
監督:李相日
原作:吉田修一
この映画のロケ地として使われた灯台ですが
映画を観ると灯台の横に配電室みたいな建物が
以前にはあったようですが私が来た時にはもう無かったので
ここ数年の間で壊されたらしい。
映画の方は心に突き刺さるような深い映画ですので
観てない方はご覧になると良いと思います(R12指定)